平久保まで来て、お昼に何を食べよう。その問いに、わたしたちは「石垣肉そば」という一杯で答えたいと思っています。器のなかには、石垣島のブランド食材がそのまま乗っている。そんな、土地の恵みをそのまま味わうための一杯の話です。
石垣島最北端、平久保で出会う「肉そば」
石垣島の最北端、海と牧草地に囲まれた高台に WAAP の 1F レストラン「NOODLE」はあります。看板には「Noodle, Coffee & Market」。平久保を歩く途中に、ドライブの途中に、滞在中のお昼に。ふらっと立ち寄って、ゆっくり食べて、また風のなかへ戻っていく。そんな時間のための場所です。
PDF の施設紹介に、NOODLE のことをこう書きました。「石垣の食材を活かした出汁と具材。ふらっと立ち寄れる、気軽な一杯を。」短い一行ですが、わたしたちが大切にしている輪郭はここに収まっています。素材を主役に。難しく考えず、また食べたくなる味を。
白の一杯 — 南ぬ豚と、クリアな出汁
「白」は、石垣島のブランド豚「南ぬ豚(ぱいぬぶた)」を主役にした一杯です。
南ぬ豚は、八重山の自然のなかでゆっくりと育てられた島の銘柄豚。脂のやわらかさと、後味のクリアさが特徴で、煮込んでも雑味が出にくい。NOODLE の白では、この南ぬ豚から引き出した出汁を、にごりすぎない透明感のあるスープに仕立てています。
ひと口めに、豚の旨味がふわっと立ちのぼる。けれど後を引かない。麺をすすって、汁を一口含んで、また麺へ。その往復のなかで、じわじわと身体に染みていく一杯です。
赤の一杯 — 新里牛と、コク深い余韻
「赤」は、石垣島の和牛「新里牛」を主役にした一杯です。
新里牛は、石垣島で長く牛を育ててきた新里さんの手による石垣牛のひとつ。きめ細かな霜降りと、噛むほどに広がる旨味で知られています。その新里牛から引き出した出汁を、赤の一杯では惜しみなく使い、コクと余韻のあるスープに仕上げました。
口に入れた瞬間に、和牛らしい甘みのある旨味が広がる。スープを飲み終えたあとも、舌のうえに静かに残り続ける。白がクリアな抜けの一杯なら、赤は深く沈み込む一杯です。
紅白 — 白と赤、ひとつの器で
「どちらも食べてみたい」という方のために、白と赤を一杯のなかで一緒に味わえる「紅白」もご用意しています。
ひとつの器のなかで、南ぬ豚の白と新里牛の赤が並ぶ。同じ「肉そば」という名前でも、豚と牛で出汁の表情がここまで変わるのか、と感じていただけるはずです。半分ずつ、交互にすすって、自分のなかで二つの味を比べてみる。それも紅白という一杯の楽しみ方のひとつです。
おひとりでいらして、迷ってしまう方にも、お連れさまと違うものを頼んで分け合う方にも、紅白は気軽な選択肢になればと思っています。
手摘み生アーサー — いつもの一杯に、海の青さを
白も、赤も、紅白も。NOODLE の肉そばに共通して乗るのが、手摘みの生アーサーです。
アーサーは、沖縄の海岸で春先に採れる「あおさ」の海藻。手摘みの生アーサーは香りが繊細で、口に運んだ瞬間にふわりと磯の風が抜けていきます。NOODLE では、温かいスープのうえに生のままそっと乗せて、麺と一緒に絡めて食べていただくスタイルです。
肉の出汁という陸の旨味のなかに、海のみどりが差す。いつもの一杯に、海の青さを。平久保の海と牧草地に囲まれた立地そのものが、一杯のうえに乗っているような、そんな時間になればうれしいです。
ふらっと立ち寄れる時間
NOODLE は、宿泊者だけのレストランではありません。地元の方も、北部をドライブする旅行者も、サイクリストも、誰でもカウンターに座っていただけます。
メイン棟の 1F、石造りのアーチをくぐった先にカウンターはあります。漆喰の白壁、無垢の木、アーチ越しに差し込む自然光。建物そのものが、麺を食べる時間の伴奏になってくれます。吹き抜け越しに 2F カフェ TABLE の気配が伝わってきて、ひとつの建物のなかに二つの時間が同居しています。
ホテル併設の食堂と聞くと身構えてしまう方もいるかもしれませんが、ここはもっと風通しのよい場所です。一人で来て、一杯食べて、また走り出す。そんな使い方こそ、わたしたちが思い描く NOODLE のあり方です。
営業情報・アクセス
NOODLE の営業時間は 11:00–15:00(ラストオーダー 14:30)。2026 年 4 月以降は、月曜と金曜を定休日としています。仕入れ状況によって、白・赤・紅白のいずれかが品切れになることもありますので、ご来店前に /noodle の最新情報をご確認いただけると安心です。
肉そばを食べ終えたら、そのまま外に出てしまうのも自由ですが、もし時間に余裕があれば、同じ建物の階段を上がって 2F カフェ TABLE へどうぞ。コーヒーと米粉ピザで、午後をもう少しゆっくり過ごせます。同じ食のクラスタでは、姉妹記事 TABLEで過ごす午後 もあわせてどうぞ。平久保までの行き方や周辺の地理は /access にまとめています。
南ぬ豚の白、新里牛の赤、両方の紅白。そのうえに乗る、手摘み生アーサー。平久保の風のなかで、ご自身の一杯を選んでいただけたら。ご来店をお待ちしています。